アドラー心理学とは?アドラー心理学入門!3大心理学者アドラーから5つのアドバイス
2017/11/12
アドラーという心理学者をご存知ですか?
フロイトやユングと並ぶ心理学の三大巨頭と言われながら、日本での知名度はほとんどなかった精神科医のアルフレッド・アドラー。
そんなアドラーも2013年に発売された『嫌われる勇気』を機に一気に脚光を浴び、「アドラーブーム」を巻き起こしました。
アドラー心理学は、過去の経験が今の行動を生み出しているという「原因論」を否定し、人の行動は何らかの目的があって生み出されるという「目的論」を基本しています。
アドラー心理学では、大きなトラウマでさえ「過去の出来事」です。もちろんアドラーは、過去が人に大きな影響を与えることを知っていました。しかし、その過去のせいにしても人が幸せになれないことを理解していたのです。
過去の自分が判断して決めたことが続いていくと同時に、いつでも自分で自分を変えることができると教えています。他者を変えるのではなく、自分を変える。そして、変わった自分と接することで周りにも良い影響を与えていきます。
人間関係に悩んでいる方は、ぜひここで紹介するアドラーからのアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
アルフレッド・アドラーとは
アルフレッド・アドラー(1870年2月7日 - 1937年5月28日)は、オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。ジークムント・フロイトおよびカール・グスタフ・ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人です。
嫌われる勇気
2013年に発売されたこの「嫌われる勇気」は、アドラーの考えを「哲学者」と「青年」の対話形式でわかりやすくまとめられた本。92万部を超えるヒットとなり、「アドラーブーム」の火付け役となりました。この本自体がとても読みやすく、「今からアドラー心理学について何か本を読みたい」と思っている方はこの本から初めてみる事をオススメします。
アドラーからのアドバイス
ここからは、アドラーが伝える5つのアドバイスを紹介します。日常生活に活かせるものがあれば、まずは1つ実行してみてください。ここで学んだことをたった1つ実行することで、今までとは全く違う結果を得ることができると思います。
しかし、すぐに自分のものにすることは難しいと思いますので、定期的に読み返し、しっかりと自分のものにしていくのが良いかと思います。
今あなたには、何ができるのか?
アドラー心理学では、過去の経験が今の行動を生み出しているという「原因論」ではなく、人の行動は何らかの目的があって生み出されるという「目的論」を基本としています。
例えば、「怒られるから〜できない」という原因論に基づく言い方は認めず、結局は「怒られない」という「自分の目的」のために「しない選択」をしているだけだとアドラーは言っています。
アドラー心理学では、「過去の経験は、自分に影響を与えているが、下す決断や行動には関係がない。」という考え方をします。「今何ができるかを考えること」が大切だとアドラーは言います。
違う角度から物事を見る
アドラー心理学では、人の性格や気質のことを「ライフスタイル」と呼んでいます。これは、自分や他人をどう見るか、また、直面する問題をどう意味づけるかという「ものの見方」を示しています。自分なりのものの見方は、主に10歳前後までに自ら選択すると言われています。
ライフスタイルは自分が選択したものなので、あなたがそのライフスタイルを変えたい!と思った時に、いつでも選択し直すことができます。とは言っても、今の自分を変えることはそんなに簡単なことはないでしょう。
もしうまくいかなかったら?と不安になり、尻込みしてしまうことがあるかと思います。しかし、本当に自分のライフスタイルを変えたいと思った時は「自分を変えたい強い気持ち」と、それを実行に移す「勇気」が必要です。
他者からの評価を気にしない
相手に認めてもらいたいという気持ちは、誰しも持っています。しかし、「認められる」ということだけに意識を向けた行動をしていると相手に依存した生き方になってしまいます。これは、自分の人生を歩いているとは言えません。
「認めらるための行動」ではなく、「他人に認められようが、認められまいが関係無い。自分で何かに貢献していると思えばいい」という考え方に変えていきましょう。そうすることで、「誰かに認められないといけない」という気持ちは少しずつなくなっていくとアドラーはアドバイスしています。
それは、あなたの課題ではない
人間関係のトラブルの多くは、他人の領域に安易に踏み込んでしまうことで起こります。上司が部下に指示を出し、その進捗を把握する役割はありますが、無理に仕事をやらせたり、必要以上に手助けをする必要はありません。
部下の課題は部下のモノであって、上司の課題ではないからです。こうした課題の分離は、放任と言われてしまうケースもあるので実行するのは難しい面もあります。しかし、いい意味での割り切りと考えて実行してみてはいかがでしょうか。
大事なのは、課題の所有者を明確にし、他人の課題に踏み込まないことが大事だとアドラーはアドバイスします。
対等の立場から主張する
身近な上下関係といえば、会社での上司と部下の関係が挙げられるかと思います。現在のあなたと上司の方の関係は良好でしょうか?おそらく、「あの上司の指示は理不尽だ」と思う方も少なくはないのではないでしょうか。
上司が理不尽な要求をしてくるのは、「行動には何らかの目的がある」という「目的論」から考えれば、上司の行動には、不安や恐れの感情から生まれる「偉そうにしていないといけない」といった目的があると考えられます。
そうした上司は、ことあるごとに上下関係を強要しがちです。ここで良好な関係を築きたいと考えるならば、そのような状況は改善が必要になります。あなたは、「そんなの無理!」と思ってしまうかもしれません。
関係改善のためには、縦の関係をどうにかしようとするのではなく、横の対等な関係を構築することが重要になります。そのためには、「誰が話しているのか」ではなく、「何が語られているのか」に着目し、主張する必要があるものはすることが大切です。そうすれば、少しずつかもしれませんが、あなたと上司の関係にも変化が現れてくると思います。しかし、重要なことは「相手の変化に期待するのではなく、自分の変化に着目すること」だとアドラーはアドバイスします。
まとめ
いかがだったでしょうか?「嫌われる勇気」をきっかけにして起こった「アドラーブーム」ですが、その一端に触れることができたでしょうか。
少しでもアドラー心理学に興味を持たれた方は、ぜひ1冊読んでみられることをオススメします。
アドラー心理学に関するオススメの本
幸せになる勇気
「嫌われる勇気」の続編が登場しました。
人は幸せになるために生きているのに、なぜ「幸福な人間」は少ないのか。アドラー心理学の新しい古典『嫌われる勇気』の続編である本書のテーマは、ほんとうの「自立」とほんとうの「愛」。そして、どうすれば人は幸せになれるか。あなたの生き方を変える劇薬の哲学問答が、ふたたび幕を開ける!